内申点の付け方はどう決まる?3観点と評定の仕組みについて

内申点

「内申点はどのように決まるのか」を正確に理解している保護者は、意外と少ないのではないでしょうか。

テストの点数が評定に反映されることはわかっていても、なぜ同じ点数なのに評定が異なるのか・何が原因で下がるのかが見えていないケースが多いです。

仕組みを理解せずに「頑張れ」と声をかけても、子どもはどの行動を変えればいいかわからないまま時間が過ぎてしまいます。

内申点の付け方の仕組みを正しく理解することで、子どもへの声かけが具体的になり、評定を上げるための行動が明確に定まります。

内申点の付け方はどう決まる?

内申点の付け方は、「知識・技能」「思考・判断・表現」「主体的に学習に取り組む態度」の3つの観点を組み合わせて5段階の評定に変換するという仕組みで決まります。

この3観点は2021年度から全国の中学校で導入された評価基準であり、それ以前の5観点から変更されたものです。

評定は「通知表に書かれた5段階の数字」として保護者の目に見えますが、その裏には各観点をA・B・Cの3段階で評価した「観点別評価」が存在します。

5段階の評定は観点別評価(ABC)の組み合わせによって機械的に決まる部分が大きく、テストの点数だけでなく提出物・授業態度・実技が複合的に影響しています。

このように、内申点の付け方は、「知識・技能」「思考・判断・表現」「主体的に学習に取り組む態度」の3つの観点を組み合わせて5段階の評定に変換するという仕組みで決まります。

次は、3観点と評定の関係・観点別評価の読み方を詳しく見ていきます。

3観点と評定の関係・観点別評価の読み方

評定(5段階)は、観点別評価(ABC)の組み合わせをもとに算出されますが、AAAが必ず5になるわけではなく、組み合わせのパターンによって評定が変わります。

保護者が通知表の観点別評価をどう読めばいいかを理解することで、子どもの弱点がどの観点にあるかを具体的に把握できます。

観点別評価(ABC)の意味

各観点はA・B・Cの3段階で評価されます。

  • A:おおむね満足できる水準を十分に上回っている
  • B:おおむね満足できる水準に達している
  • C:おおむね満足できる水準に達していない

Bが「普通」「合格水準」を意味する一方で、Aは単に「テストで高得点」というだけでなく、その観点で顕著な取り組みや成果が認められる水準です。

観点別評価と評定の対応関係

学校・地域によって多少の違いはありますが、一般的な対応の目安は以下のとおりです。

観点別評価の組み合わせ 評定の目安
AAA 5
AAB 4〜5
ABB 4
BBB 3
BBC・BCB・CBB 2〜3
BCC・CBC・CCB 2
CCC 1

AABでも4止まりになるケースがあり、AAAでも3観点のバランスによっては4になることがあります。

特に「主体的に学習に取り組む態度」がCになると、他の2観点がAでも評定が4を超えにくいという傾向があります。

通知表の観点別評価の見方

通知表には各教科の5段階評定に加え、3観点それぞれの評価(ABC)が記載されています。

子どもの評定が「3」だった場合、どの観点が「C」なのかを確認することで、改善すべき行動が具体的に見えてきます。

「C」が「知識・技能」にある場合→定期テストの点数を上げることが最優先です。

「C」が「思考・判断・表現」にある場合→記述問題・レポート・発表への取り組みを改善することが必要です。

「C」が「主体的に学習に取り組む態度」にある場合→提出物・授業態度・自主的な学習姿勢を見直すことが求められます。

このように、評定(5段階)は、観点別評価(ABC)の組み合わせをもとに算出されますが、AAAが必ず5になるわけではなく、組み合わせのパターンによって評定が変わります。

次は、教科ごとの付け方の特徴を見ていきます。

教科別の内申点の付け方

内申点の付け方は教科によって評価されるポイントが異なり、同じ3観点でも何が「A評価」につながるかが教科によって変わります。

教科の特性を理解した上で対策を立てることが、効率よく評定を上げる鍵になります。

数学の付け方

「知識・技能」は計算・公式の適用・解法手順の正確さが評価されます。

「思考・判断・表現」は記述問題で解き方の根拠を説明できているか・図や式を使って考えを表現できているかが評価されます。

定期テストで計算問題を落とさないことが「知識・技能」の評価を守る基本であり、記述問題で「なぜそうなるか」を言葉で説明する練習が「思考・判断・表現」の評価につながります。

英語の付け方

「知識・技能」は語彙・文法の正確な使用・読む・書く・聞く・話すの基礎技能が評価されます。

「思考・判断・表現」は習得した英語を使って自分の意見や考えを表現できているかが評価されます。

スピーキングテスト・ライティング課題で自分の言葉で表現しようとする姿勢が「思考・判断・表現」の評価を上げるポイントです。

国語の付け方

「知識・技能」は漢字・語彙・文法の習得度が評価されます。

「思考・判断・表現」は読解問題で根拠を示しながら自分の考えを表現できているか・作文・スピーチで論理的に伝えられているかが評価されます。

「感覚的に読む」から「根拠を持って読む」への転換を意識することが、国語の「思考・判断・表現」を上げる最も効果的なアプローチです。

理科・社会の付け方

理科・社会は知識量だけでなく、「なぜそうなるのか」という因果関係の理解と説明力が「思考・判断・表現」の観点で評価されます。

レポート・実験観察記録・調べ学習のまとめは「主体的に学習に取り組む態度」の評価にも影響するため、丁寧に取り組むことが評定を上げる効果的な行動です。

このように、内申点の付け方は教科によって評価されるポイントが異なり、同じ3観点でも何が「A評価」につながるかが教科によって変わります。

次は、見落とされがちな実技4教科の付け方を詳しく見ていきます。

実技4教科の内申点の付け方

実技4教科(音楽・美術・保健体育・技術家庭)の内申点の付け方は、技術・センスだけでなく「知識・態度・表現」の3つがバランスよく評価されます。

実技の出来栄えだけで評定が決まると思われがちですが、実際には取り組む姿勢・提出物の質・筆記テストの得点も大きく影響します。

音楽の付け方

「知識・技能」は歌唱・器楽演奏の技能・楽典(音楽理論)の習得度が評価されます。

「思考・判断・表現」は鑑賞レポートで音楽の特徴や自分の感じ方を言葉で表現できているかが評価されます。

「主体的に学習に取り組む態度」は歌唱・演奏の練習への積極的な参加・鑑賞授業での集中した取り組みが評価されます。

歌・演奏が苦手な生徒でも、鑑賞レポートに自分の感想・気づき・疑問を詳しく書くことで「思考・判断・表現」の評価を上げることができます。

美術の付け方

「知識・技能」は描画技術・色彩・構図に関する基礎的な知識と技能が評価されます。

「思考・判断・表現」は制作過程のスケッチや振り返りシートに自分の構想・工夫・気づきを書き込めているかが評価されます。

作品の完成度が高くなくても、制作の過程で「なぜこの色を選んだか」「どこを工夫したか」を言葉で記録していることが「思考・判断・表現」の評価を左右します。

保健体育の付け方

「知識・技能」は体力測定の結果・運動技能の習得度・保健の筆記テストの点数が評価されます。

「思考・判断・表現」は体育理論のレポート・健康に関する課題への取り組みが評価されます。

「主体的に学習に取り組む態度」は準備・片付けへの積極的な参加・チームメイトへの声かけ・ルールを守る姿勢が評価されます。

運動が苦手でも、保健の筆記テストで高得点を取ること・準備・片付けを率先して行うことで評定を上げることができます。

技術家庭の付け方

「知識・技能」は製作・調理の技能と技術・家庭分野の筆記テストの点数が評価されます。

「思考・判断・表現」は製作レポート・作業の工夫点をまとめた記録が評価されます。

技術家庭は5教科に近い「筆記テストで点数が取れる教科」でもあるため、テスト対策と実習への丁寧な取り組みを組み合わせることで評定を上げやすい教科です。

このように、実技4教科(音楽・美術・保健体育・技術家庭)の内申点の付け方は、技術・センスだけでなく「知識・態度・表現」の3つがバランスよく評価されます。

次は、2021年の改定で内申点の付け方が何を変えたかを見ていきます。

2021年改定で内申点の付け方は何が変わったか

2021年度の学習指導要領改定によって、内申点の付け方は評価観点の順序と重点が大きく変更されました。

改定前後の変化を正しく理解することで、現在の評価基準に合わせた対策が立てられます。

改定前(〜2020年度)の5観点

2020年度までは以下の5観点で評価されていました。

  • 関心・意欲・態度
  • 思考・判断・表現
  • 技能
  • 知識・理解

この5観点では「関心・意欲・態度」が最初に掲げられており、授業態度・意欲が評価の前面に出ていました。

改定後(2021年度〜)の3観点

2021年度から全国の中学校で以下の3観点に統一されました。

  • 知識・技能
  • 思考・判断・表現
  • 主体的に学習に取り組む態度

観点数が5から3に減り、「知識・技能」が評価の先頭に来たことで、基礎的な学力の習得が改めて評価の中心として位置づけられました。

改定で最も変わったこと

「主体的に学習に取り組む態度」という観点の新設が、改定の最大の変化点です。

以前の「関心・意欲・態度」は授業中の積極性・挙手・発言が主な評価対象でしたが、改定後の「主体的に学習に取り組む態度」では継続的な学習への取り組みの記録が重視されます。

「やる気を見せる」パフォーマンスではなく、「自己調整しながら粘り強く学習に取り組んでいる証拠」が評価されるという考え方に変わりました。

提出物の丁寧な取り組み・振り返りシートへの記録・授業後の自主的な復習などが、この観点の評価に直結する行動として重要性が高まっています。

このように、2021年度の学習指導要領改定によって、内申点の付け方は評価観点の順序と重点が大きく変更されました。

次は、通知表から内申点の弱点を読み取る方法を整理します。

通知表から内申点の弱点を読み取る方法

通知表から内申点の弱点を読み取るために最初に確認すべきことは、どの教科のどの観点に「B」や「C」があるかを特定することです。

「評定3だった」という結果だけを見るのではなく、「どの観点がボトルネックになっているか」を把握することで、次の学期に何を改善すればいいかが明確になります。

ステップ1:各教科の観点別評価(ABC)を確認する

通知表を開いたとき、5段階の評定の横または下に各観点の評価(ABC)が記載されています。

すべての教科の観点別評価を書き出し、「C」がついている観点をリストアップします。

「C」がある観点は、その教科の評定が伸び悩んでいる直接的な原因です。

ステップ2:どの観点が弱いかを分類する

「知識・技能」にCが多い場合→定期テストの点数向上が最優先課題

「思考・判断・表現」にCが多い場合→記述問題・レポート・発表への取り組みを改善

「主体的に学習に取り組む態度」にCが多い場合→提出物・授業態度・自主的な学習姿勢の見直し

ステップ3:優先順位をつけて改善行動を決める

3つの観点すべてを同時に改善しようとすると、どれも中途半端になります。

「最も内申点への影響が大きいCをつぶす」という優先順位で、1学期ごとに一つの弱点を集中的に改善する方が効果的です。

副教科に多くのCがある場合は、副教科の評定が2倍換算になる都道府県では特に優先して取り組む価値があります。

ステップ4:改善後の通知表と比較する

次の学期の通知表が返ってきたとき、前の学期と観点別評価を比較することで、どの行動が評定の改善につながったかが見えてきます。

「提出物を丁寧にしたら主体的に学習に取り組む態度がBになった」という具体的な変化を確認することで、何が評価につながったかが子ども自身にも伝わります。

このように、通知表から内申点の弱点を読み取るために最初に確認すべきことは、どの教科のどの観点に「B」や「C」があるかを特定することです。

通知表を「結果の報告書」としてではなく「次の行動を決めるための設計図」として活用することが、内申点を着実に上げていくための最も実践的なアプローチです。