高校受験の場面で「単願」という言葉を聞いても、人によって説明の内容が微妙に違うと感じたことがある人もいるでしょう。
専願と同じ意味で使われることもあれば、まったく別の受け方を指して使われることもあり、地域や学校によって解釈が分かれます。
どちらの意味で使われているかを取り違えると、受験戦略そのものが大きく変わってしまいます。
高校受験において単願という言葉は、文脈によって意味が異なる場合があるため、それぞれのケースを区別して理解しておくことが大切です。
高校受験の単願とは?
高校受験における単願とは、大きく2つの異なる意味で使われる言葉であり、①私立高校で優遇を受けられる入試制度を指す場合と、②併願(すべり止め)を持たずに1校だけに絞って受験することを指す場合があります。
「単願」という字面から考えると、本来は「1校だけを願う」という単純な意味ですが、実際の使われ方は地域や学校、塾によって異なります。
多くの解説記事では、単願は専願と同じ意味として扱われ、私立高校に合格したら必ず入学することを前提とした優遇付きの入試制度として説明されています。
一方で、公立高校が第一志望の場合に、私立のすべり止めを併願せず、公立1校だけに絞って受験することを「単願」と呼ぶ使われ方も存在します。
このように、高校受験における単願とは、大きく2つの異なる意味で使われる言葉であり、①私立高校で優遇を受けられる入試制度を指す場合と、②併願(すべり止め)を持たずに1校だけに絞って受験することを指す場合があります。
まずは、専願と同じ意味で使われるケースから見ていきましょう。
高校受験における単願①「専願と同義のケース」
高校受験における単願①は、専願と同じ意味で使われるケースであり、合格したら必ずその私立高校に入学することを前提に、合格基準を緩和してもらう入試制度です。
このケースでの単願は、私立高校が第一志望で、強い志望動機がある場合に選ばれることが多くあります。
出願時に中学校長の推薦書や調査書が必要になり、学校との事前のやり取りを経て出願することが一般的です。
合格すれば原則として入学を辞退できず、他校を受験することもできなくなります。
多くの解説記事ではこの意味を「単願(専願)」とひとまとめに紹介しており、実際にこの使われ方が最も広く見られます。
このように、高校受験における単願①は、専願と同じ意味で使われるケースであり、合格したら必ずその私立高校に入学することを前提に、合格基準を緩和してもらう入試制度です。
もう一つの使われ方は、専願とはまったく異なる考え方に基づいています。
高校受験における単願②「併願なしで1校に絞るケース」
高校受験における単願②は、公立高校が第一志望のときに、私立のすべり止めを併願せず、その1校だけに絞って受験するケースです。
学校や塾からは、万が一の不合格に備えて私立高校を併願(すべり止め)として受けておくよう勧められることが一般的です。
しかし、私立高校へ進学する意思がそもそもなく、公立に不合格だった場合は就職などの別の道を選ぶ前提がある場合、合格しても通うことのない私立を受験すれば、その分の受験料や入学金が無駄になってしまいます。
こうした考えから、あえて併願を持たず、公立1校だけに絞って受験する選択を「単願」と呼ぶことがあります。
なお、近年は私立高校の授業料が所得制限なく実質無償化される方向に進んでおり、学費の負担という意味でのハードルは下がってきています。
一方で、入学金や制服代などの費用、そして私立に進学する意思そのものがあるかどうかは無償化とは別の問題であり、単願②を選ぶかどうかの判断軸は今も残っています。
このように、高校受験における単願②は、公立高校が第一志望のときに、私立のすべり止めを併願せず、その1校だけに絞って受験するケースです。
2つの意味があると分かったうえで、自分が聞いている「単願」がどちらを指すのか、確認する方法を見ていきましょう。
高校受験でどちらの意味の単願か確認する方法
高校受験でどちらの意味の単願かを確認する方法は、誰が、どの学校について話しているのかを確認することです。
私立高校の募集要項やパンフレットに「単願」と書かれている場合は、ほとんどのケースで先に説明した専願と同義の優遇制度を指しています。
一方、学校の先生や塾の先生との会話の中で、公立第一志望の生徒に対して「単願でいくの?」と聞かれる場合は、併願なしで1校に絞るケースを指していることが多くあります。
地域によってどちらの意味が主流かも異なるため、初めて「単願」という言葉を聞いたときは、その場で「それは併願をしない、ということですか」と確認しておくと、後の誤解を防げます。
このように、高校受験でどちらの意味の単願かを確認する方法は、誰が、どの学校について話しているのかを確認することです。
特に併願を持たない意味で単願を選ぶ場合は、事前に知っておきたい注意点があります。
高校受験で単願(併願なし)を選ぶ際の注意点
高校受験で単願(併願なし)を選ぶ際の注意点は、不合格になった場合にどうするかを、受験前にあらかじめ決めておくことです。
併願を持たずに1校だけを受験する場合、その学校に不合格だった場合の進学先が確保されていない状態になります。
就職を選ぶつもりがあるのであれば、その後の具体的な進路(求人の探し方や、必要な準備)についても、受験前から情報を集めておくと、結果が出てから慌てずに動けます。
地域によっては、公立高校の二次募集や、私立高校の追加募集が行われることもあるため、単願で不合格になった場合にどのような選択肢が残っているのかも、事前に調べておくと安心です。
家族や学校の先生とも、単願を選ぶ理由とその後の方針を早いうちに共有しておくことが望ましいでしょう。
このように、高校受験で単願(併願なし)を選ぶ際の注意点は、不合格になった場合にどうするかを、受験前にあらかじめ決めておくことです。


