定期テストを捨てて受験対策に専念すべきか、迷っている中学生・高校生は多くいます。
時間は限られており、どちらを優先すべきか判断が難しい時期があるのは事実です。
ただし「あり」かどうかは、中学生か高校生か・目指す入試の種類によってまったく異なります。
この記事では、定期テストを捨てるのはありなのかについて、中学生・高校生それぞれの立場から整理していきます。
定期テストを捨てるのはありなの?
定期テストを捨てることは状況によってはありですが、「完全に捨てる」という判断は中学生・高校生のどちらにとっても基本的にリスクが高いです。
ここで言う「定期テストを捨てる」とは、定期テストを受けないとか0点でもいいという意味ではありません。
定期テストの準備にかける時間を最小限に抑え、受験勉強や志望校対策に時間を集中させるという意味です。
この判断が「あり」になるかどうかは、以下の条件によって変わります。
- 中学生の場合:内申点が高校受験に影響するため、基本的に捨てる選択肢は取りにくい
- 高校生(一般選抜)の場合:大学受験の合否に内申点が関係しないため、受験科目以外は最低限の対策で済ませる判断がありになる
- 高校生(推薦・総合型選抜)の場合:評定平均が出願条件に直結するため、捨てる選択肢はない
重要なのは「定期テストを捨てる」という行動自体が正しいかどうかではなく、自分の受験スタイルと照らし合わせて判断することです。
このように、定期テストを捨てることは状況によってはありですが、「完全に捨てる」という判断は中学生・高校生のどちらにとっても基本的にリスクが高いです。
次は、定期テストを捨てることのメリットとデメリットを具体的に見ていきます。
定期テストを捨てるメリットとデメリット
定期テストを捨てることには受験勉強に集中できるメリットがある一方で、後から取り返しのつかないデメリットが生じるリスクもあります。
どちらが大きいかは自分の状況次第ですが、事前に両方を正確に理解しておくことが重要です。
メリット
定期テストを捨てることの最大のメリットは、限られた時間を受験対策に集中できることです。
定期テストは出題範囲が広く、全教科を仕上げるには相当な時間が必要です。
特に高校3年生の後半は、入試本番が近づく中で定期テストの準備に時間を割くことが受験勉強の妨げになると感じる生徒は多くいます。
受験に使わない科目の定期テスト対策を省くことで、過去問演習や弱点補強に充てられる時間が増えるのは事実です。
また、定期テストの準備による精神的な消耗を減らし、受験勉強に集中するメンタルを維持しやすくなるという面もあります。
さらに、受験科目の定期テストを「受験勉強の一環」として本番に近い意識で取り組むことで、試験本番に似た緊張感の中で実力を試す機会にもなります。
デメリット
一方、定期テストを捨てることの最大のデメリットは、内申点・評定への影響です。
中学生の場合、定期テストの結果は通知表の評定に直結し、その評定が内申点として高校受験の合否に使われます。
都道府県によって内申点の反映範囲は異なりますが、埼玉・千葉など中学1年生からの内申点が影響する地域では、早い段階で定期テストを疎かにすると受験時に選べる高校の幅が狭まります。
高校生の場合も、推薦・総合型選抜を目指している生徒が定期テストを捨てると評定平均が下がり、出願要件を満たせなくなるリスクがあります。
一般選抜であっても、定期テストの勉強が受験範囲と重なっている場合は、捨てることで基礎力の定着が遅れるという本末転倒な結果になることもあります。
また、「定期テストを捨てる」という選択をしたにもかかわらず、受験勉強に集中できず結果的に両方が中途半端になるという失敗パターンも少なくありません。
捨てると決めた場合は、その分の時間を確実に受験勉強に充てる強い意志と計画が必要です。
このように、定期テストを捨てることには受験勉強に集中できるメリットがある一方で、後から取り返しのつかないデメリットが生じるリスクもあります。
次は、捨てていい科目と捨ててはいけない科目の具体的な線引きを見ていきます。
定期テストで捨てていい科目・捨ててはいけない科目
定期テストで捨てていい科目は「受験で使わない科目のうち内申点への影響が限定的なもの」に限られ、受験科目と内申点に影響する科目は捨ててはいけません。
「捨てる」と一口に言っても、すべての科目を同じように扱うことはできません。
科目ごとの状況を正確に把握したうえで、捨てていい範囲を見極めることが重要です。
中学生の場合
中学生は原則として定期テストで捨てられる科目はありません。
5教科(国語・数学・英語・理科・社会)はすべて高校受験の内申点に直結します。
また、音楽・美術・体育・技術家庭科の実技4教科も内申点に含まれており、都立高校入試では実技4教科の評定が主要5教科の2倍の重みで換算されます。
「実技教科は捨てていい」と思っている中学生が多いですが、これは大きな誤解です。
実技教科の定期テストは筆記試験で点数を取りやすく、かつ周りも対策が甘い傾向があるため、しっかり準備することで内申点を効率よく上げられる科目でもあります。
高校生(一般選抜)の場合
高校生で一般選抜を目指している場合、受験で使わない科目の定期テストは最低限の対策に絞ることができます。
ただし「最低限」とは赤点を取らない水準であり、定期テストを完全にゼロにするわけではありません。
高校では赤点を取ると補講・追試が発生し、場合によっては留年のリスクもあるため、受験科目以外であっても最低30〜40点程度は確保する必要があります。
受験科目については、定期テストの出題内容が入試に直結している場合が多く、特に数学・英語・理科は定期テストの準備が受験勉強にそのままつながります。
これらの科目は捨てずに、定期テストを受験演習の一環として活用することが合理的です。
高校生(推薦・総合型選抜)の場合
推薦・総合型選抜を目指している高校生は、定期テストで捨てられる科目はありません。
出願要件に「評定平均3.5以上」「特定教科4.0以上」などの条件が設けられているケースが多く、定期テストの点数が落ちると出願自体ができなくなるリスクがあります。
実技教科を含む全科目の評定平均が対象になるため、すべての科目を一定水準以上に保つことが前提条件になります。
このように、定期テストで捨てていい科目は「受験で使わない科目のうち内申点への影響が限定的なもの」に限られ、受験科目と内申点に影響する科目は捨ててはいけません。
次は、定期テストを捨てていい人・捨ててはいけない人の違いを見ていきます。
定期テストを捨てていい人・捨ててはいけない人の違い
定期テストを捨てていい人と捨ててはいけない人の違いは、入試の種類と内申点の影響範囲によって決まります。
同じ「定期テストを捨てたい」という気持ちでも、置かれている状況によって正解はまったく異なります。
定期テストを(部分的に)捨てていい人
- 高校3年生で一般選抜のみを目指している人:受験で使わない科目に限り、赤点を取らない水準で最低限の対策に絞ることができます
- 受験科目が絞られており、不要科目の定期テストが受験勉強の大きな妨げになっている人:時間の使い方として合理的な判断になる場合があります
- 志望校・受験パターンがすでに確定している人:方針が固まっているほど、捨てる科目を明確に判断できます
定期テストを捨ててはいけない人
- 中学生全員:内申点が高校受験の合否に直結するため、どの科目も最低限以上の対策が必要です
- 推薦・総合型選抜を目指している高校生:評定平均が出願要件に関わるため、全科目を一定水準以上に保つ必要があります
- 高校1・2年生:学習の基礎が固まる時期であり、定期テストを疎かにすることで高3での学力不足につながるリスクがあります
- まだ志望校・受験方法が決まっていない人:推薦の可能性を残すためにも、評定を下げる選択は避けるべきです
このように、定期テストを捨てていい人と捨ててはいけない人の違いは、入試の種類と内申点の影響範囲によって決まります。
最後に、定期テストを捨てずに受験勉強と効率よく両立する方法を見ていきます。
定期テストを捨てずに受験勉強と両立する方法
定期テストを捨てずに受験勉強と両立するには、定期テストの勉強を受験対策の一部として位置づけることが最も効率的な方法です。
「定期テスト対策」と「受験勉強」を別物として並行して進めようとするから時間が足りなくなります。
両者を連動させる発想に切り替えることで、時間を無駄にせず両方の成果を得ることができます。
受験科目の定期テストは受験勉強として取り組む
数学・英語・国語・理科・社会の主要5教科は、定期テストの出題内容が受験の基礎範囲と重なっています。
定期テストの準備を「受験のための基礎固め」と捉え、学校のワークを丁寧に仕上げることが受験勉強にそのままつながります。
特に数学と英語は積み上げ式の教科であり、定期テストで習った内容が定着していないと入試本番で応用問題に対応できなくなります。
受験科目の定期テスト対策を省くことは、結果として受験準備の遅れにつながることを理解しておく必要があります。
受験に使わない科目は「最小時間で最大点数」を狙う
受験で使わない科目については、短時間で一定の点数を確保する効率的な取り組み方が有効です。
テスト前日〜2日で教科書・配布プリントの重要箇所に絞って暗記し、赤点を回避できる水準を確保します。
実技教科の筆記試験は、授業中に先生が強調したポイントと教科書の太字部分を中心に覚えるだけで平均点前後は取れることが多いです。
全科目を均等に準備しようとするのではなく、科目ごとに「かける時間」を明確に決めて取り組むことが両立のポイントです。
テスト期間中も受験勉強の時間を確保する
定期テスト期間中は受験勉強を完全にやめてしまう生徒が多いですが、これは受験勉強のリズムが崩れる原因になります。
受験科目の復習・問題演習を1日1時間程度維持しながら、残りの時間を定期テスト対策に充てるというスケジュールが現実的です。
定期テスト期間でも受験勉強を止めないことで、テスト終了後に改めてエンジンをかけ直す時間ロスがなくなります。
このように、定期テストを捨てずに受験勉強と両立するには、定期テストの勉強を受験対策の一部として位置づけることが最も効率的な方法です。


