周りの家庭がすでに学校見学に出かけていると聞き、中学受験の見学はいつから行けばいいのだろうと焦りを感じる保護者もいるでしょう。
志望校がまだ定まっていない段階では、どの学校に足を運べばいいのか判断に迷うこともあるでしょう。
塾の予定との兼ね合いもあり、いつどのくらい参加すればいいのか見当がつかないこともあるかもしれません。
この記事では、中学受験の学校見学はいつから始めればよいのか、学年別の目的とあわせて整理していきます。
中学受験の学校見学はいつから行くべき?
中学受験の学校見学は新小学4年生の頃から始めるのが目安で、多くの学校が4年生からの参加を受け付けています。
学校説明会や公開行事は年に数回しか開催されないため、気になる学校のイベントにできるだけ多く参加しようとすると、早い段階から動き出す必要があります。
この時期はまだ志望校が固まっていない家庭がほとんどですが、自宅から通いやすい学校や人気校、友人と一緒に行ける学校などに気軽に足を運んでみるだけでも十分な意味があります。
ただし、見学に参加する目的は学年によって異なるため、それぞれの時期にふさわしい参加の仕方を知っておくことが大切です。
このように、中学受験の学校見学は新小学4年生の頃から始めるのが目安で、多くの学校が4年生からの参加を受け付けています。
では、4年生の時期は、どのような目的で学校見学に参加するとよいのでしょうか。
4年生は「受験を自分ごと化する」ための見学
4年生のうちの学校見学は、志望校を絞り込むことよりも、子ども自身が受験を「自分ごと」として捉えるきっかけづくりを目的にするとよいでしょう。
保護者から「中学受験をしよう」と言われても、子どもにとっては具体的なイメージが湧きにくいものですが、実際に学校に足を運び、校舎や生徒の様子を目にすることで、「この学校に通いたい」という気持ちが芽生えやすくなります。
4年生の子どもは、講堂で校長先生の話を聞くだけの学校説明会だと途中で飽きてしまうことも多いため、体育祭や文化祭、部活動体験といった、子ども自身が楽しめる体験型の行事を選んで参加するのがおすすめです。
この段階では偏差値や進学実績を細かく気にする必要はなく、子どもの興味を引き出せそうな行事を優先して選ぶとよいでしょう。
このように、4年生のうちの学校見学は、志望校を絞り込むことよりも、子ども自身が受験を「自分ごと」として捉えるきっかけづくりを目的にするとよいでしょう。
志望校をある程度絞り込んでいく本格的な見学は、5年生からが中心になります。
5年生は志望校を絞り込むための本格的な見学
5年生になったら、複数の学校の行事に参加して比較しながら、志望校の候補を本格的に絞り込んでいく時期に入ります。
1校だけを見学しても「良い学校だった」という漠然とした感想で終わってしまいがちですが、複数校を見比べることで、設備の充実度や生徒の雰囲気、行事への取り組み方といった、それぞれの学校の個性が見えてきます。
文化祭や体育祭は各校の校風がよく表れる行事で、中高生が一緒に行う学校もあれば中学生だけで行う学校もあり、規律を重んじる学校もあればのびのびとした雰囲気の学校もあります。
部活動体験や授業体験のように、子どもが実際に参加できる行事を選ぶと、入学後の生活をよりリアルにイメージしやすくなります。
目安は10校以上、幅広い偏差値層を見ておく
首都圏模試センターの調査によると、実際の出願校数は平均7校程度とされているため、そこから選択肢を絞れるよう、5年生のうちに少なくとも10校程度は見学しておくと安心です。
見学する学校は、今の偏差値ぴったりの学校だけでなく、プラスマイナス10ポイント程度の幅を持たせて選んでおくとよいでしょう。
5年生の後半から成績が伸びる子どももいれば、伸び悩んでしまう子どももいるため、幅広い学力層の学校をあらかじめ見ておくことで、そのときの状況に応じて柔軟に志望校を選び直せます。
このように、5年生になったら、複数の学校の行事に参加して比較しながら、志望校の候補を本格的に絞り込んでいく時期に入ります。
一方、6年生になると、見学に割ける時間そのものが限られてきます。
6年生は入試説明会に絞る
6年生になったら、すべての行事を回ろうとせず、入試説明会など的を絞った参加に切り替えることが現実的です。
6年生の夏以降は塾のカリキュラムが本格化し、模試や講習で週末も埋まりやすくなるため、多くの学校を回る時間的・体力的な余裕がなくなっていきます。
この時期の入試説明会では、募集要項や出題傾向、採点方法など、より具体的で実務的な情報が得られることが多く、志望校を最終的に決めるうえで欠かせない情報源になります。
すでに志望校がある程度絞られているはずなので、受験する可能性の高い学校を厳選し、優先順位をつけて参加するとよいでしょう。
目的別に参加する行事を使い分ける
6年生で子どもを連れていく行事は、モチベーションを高めるための第一・第二志望校の学校説明会、本番の予行演習になる入試問題体験会やプレテストの2種類に絞ると効果的です。
特にプレテストや入試問題体験会は、実際に志望校の教室で問題を解く貴重な機会になるため、開催校があれば積極的に参加させたいところです。
一方、併願予定校の入試説明会は、保護者だけで参加するという分担も有効です。出題傾向の変更点や時事問題の出題範囲など、過去問対策に直結する情報が語られることも多く、秋以降に開催される説明会ほど実務的な内容になっていきます。
このように、6年生になったら、すべての行事を回ろうとせず、入試説明会など的を絞った参加に切り替えることが現実的です。
学年を問わず、見学の際にはいくつか確認しておきたいポイントもあります。
見学で確認しておきたいポイント
見学で確認しておきたいのは、施設の充実度よりも、生徒の表情や掲示物といった日常の雰囲気、そして通学路の安全性です。
きれいな校舎や設備は目を引きやすいものですが、実際にその学校で6年間を過ごす子どもにとって大切なのは、そこに通う生徒たちが生き生きとしているかどうかです。
掲示板に貼られた生徒の作品や行事の様子からも、学校が大切にしている価値観や生徒の自主性がどの程度尊重されているかが伝わってきます。
自宅からの通学時間だけでなく、駅からの道のりや人通りといった安全面も、実際に歩いてみないとわからない部分のため、可能であれば通学に使う経路をたどってみるとよいでしょう。
進学実績についても、パンフレットの数字だけでは実際の指導内容までは伝わらないため、説明会でどのような指導を行っているかを具体的に確認しておくと参考になります。
このほか、教育理念が家庭の方針と合っているか、校則の厳しさや自由度、学習指導が生徒の自主性を尊重するタイプか面倒見重視のタイプかといった点も、実際に足を運んでみないとわかりにくい部分です。
気になる点はその場で質問し、疑問を持ち越さないようにしましょう。
なお、学校の偏差値は決して固定されたものではなく、年々変動していきます。
ある調査では、6年前と比較して大宮開成が偏差値を18ポイント、さらに長期で見ると洗足学園が29年前から26ポイント上昇したというデータもあり、当時は今ほど注目されていなかった学校が、今では人気校になっている例も珍しくありません。
現在の偏差値だけを絶対的な基準にせず、教育内容や校風が家庭の方針や子どもに合っているかどうかを重視して見学することが大切です。
このように、見学で確認しておきたいのは、施設の充実度よりも、生徒の表情や掲示物といった日常の雰囲気、そして通学路の安全性です。
最後に、限られた時間の中で効率よく見学を進めるための工夫についても触れておきます。
効率よく回るための工夫
効率よく見学を回るための工夫として、保護者だけで先に説明会に参加して学校を絞り込んでおく方法や、予約開始日を事前に把握しておく方法があります。
気になる学校をすべて子どもと一緒に回ろうとすると、移動や日程の調整だけで大きな負担になってしまうため、まずは保護者だけで参加し、良さそうだと感じた学校に絞って子どもを連れていくと、効率よく進められます。
人気校の説明会や見学会は予約開始と同時に定員が埋まってしまうこともあるため、気になる学校の予約開始日はあらかじめカレンダーに登録しておくと安心です。
なお、「説明会に何度も参加すれば入試で有利になる」というのは根拠のない噂であり、参加回数そのものが合否に影響することはないため、回数にこだわりすぎず、必要な情報を得ることを目的に参加すると考えておきましょう。
このように、効率よく見学を回るための工夫として、保護者だけで先に説明会に参加して学校を絞り込んでおく方法や、予約開始日を事前に把握しておく方法があります。


