高校受験の追試験とは?仕組みと手続きについて

高校受験

入試当日に体調を崩したり事故に遭ったりした場合、高校受験では必ず追試験を受けられるのか、判断に迷う家庭も少なくありません。

学校や自治体によって対応が大きく異なるとも言われており、何を基準に考えればいいのか分かりにくいところです。

制度の有無や申請条件を知らずに本番を迎えると、いざというときに正しく動けなくなってしまいます。

高校受験の追試験は、実施の有無や手続きが地域によって異なるため、事前に仕組みを理解しておくことが欠かせません。

高校受験の追試験とは?

高校受験の追試験とは、病気や事故などやむを得ない事情で本来の入試を受けられなかった受験生のために用意された代替の試験ですが、実施している自治体は限られています。

追試験は「追検査」と呼ばれることもあり、本来の学力検査と同じ範囲・教科で実施されるのが一般的です。

対象となるのは、インフルエンザなどの病気、事故、忌引き(親族の死亡)といった、受験生本人の努力では避けられない事情に限られます。

受験のチャンスを完全に失わずに済む制度ではあるものの、すべての都道府県・学校で同じように用意されているわけではありません。

このように、高校受験の追試験とは、病気や事故などやむを得ない事情で本来の入試を受けられなかった受験生のために用意された代替の試験ですが、実施している自治体は限られています。

実際に、どの程度の自治体がこの制度を導入しているのか見ていきましょう。

高校受験で追試験を実施している自治体は限られている

高校受験で追試験を実施している自治体は限られており、文部科学省の調査では、公立高校入試を行う66都道府県市のうち、別日程の追試験を実施しているのはわずか11府県市にとどまります。

残りの自治体の多くは、別日程での追試験を実施していません。

その理由として、文科省の調査では「日程的な余裕がなく実施が困難」(43%)が最も多く挙げられ、次いで「試験当日の別室受験によって受験機会を確保できる」「本検査と追試験の難易度に差が出てしまい、公平性の確保が難しい」(合わせて22%)といった理由が続いています。

つまり、追試験を実施していない自治体でも、当日に別室で受験できる体制を整えているケースがあり、必ずしも「受験機会そのものが失われる」わけではありません。

一方で、追試験を実施している11府県市では、独自に追検査を実施したり、二次募集と同じ日程・問題で対応したりするなど、運用方法にも違いがあります。

このように、高校受験で追試験を実施している自治体は限られており、文部科学省の調査では、公立高校入試を行う66都道府県市のうち、別日程の追試験を実施しているのはわずか11府県市にとどまります。

では、なぜこのような追試験の制度が全国に広がってきたのか、その背景を見ていきましょう。

高校受験の追試験が広がった背景

高校受験の追試験が広がった背景には、2017年に神奈川県相模原市で起きた事件を受け、文部科学省が全国の教育委員会に配慮を求めたという経緯があります。

2017年2月、相模原市で、高校受験がうまくいかなかったことを苦に、当時中学3年生だった少年が命を絶つという出来事がありました。

試験当日、少年はインフルエンザにかかっており、十分に力を発揮できなかったとされています。

その後、母親も後を追って命を絶ち、痛ましい母子の事件として報道されました。

この出来事を受けて、文部科学省は全国の教育委員会などに対し、インフルエンザなどに罹患した受験生への配慮として、追試験などの受験機会を確保するよう特段の配慮を求める通知を出しました。

先行して追試験を実施していた自治体の取り組みを参考にしたこの通知が、その後の制度整備の広がりにつながっています。

このように、高校受験の追試験が広がった背景には、2017年に神奈川県相模原市で起きた事件を受け、文部科学省が全国の教育委員会に配慮を求めたという経緯があります。

では、実際に追試験を受けるためには、どのような手続きが必要なのか確認していきましょう。

高校受験の追試験を受けるための手続き

高校受験の追試験を受けるための手続きは、中学校長を通じて志望校に追試験受検願を提出し、診断書などの証拠となる書類を添える必要があります。

追試験を受けたい場合、本人や保護者が直接志望校に連絡するのではなく、中学校長を通じて手続きを行うのが基本です。

本来の学力検査が行われた当日から数日以内など、申請には期限が設けられていることが多く、その間に中学校長から志望校へ「追試験受検願」を提出してもらう必要があります。

申請の際には、病気であれば医療機関の診断書、事故であれば事故証明や遅延証明書など、やむを得ない事情を証明する書類の提出が求められます。

これらの書類は、できるだけ早く取得しておくことが望ましいでしょう。

このように、高校受験の追試験を受けるための手続きは、中学校長を通じて志望校に追試験受検願を提出し、診断書などの証拠となる書類を添える必要があります。

手続きが分かったうえで、追試験について知っておきたい不安や注意点も確認しておきましょう。

高校受験の追試験に関する不安・注意点

高校受験の追試験に関する不安・注意点は、本試験と難易度が異なる可能性があることと、定員や合否の扱いが学校によって異なることです。

追試験は本試験とは別に作成されるため、年によって本試験より難しく感じられることもあれば、大きな差を感じないこともあり、年度や学校によって差があります。

追試験は平均点が公表されないことが多く、客観的な難易度を事前に知ることはできないため、必要以上に身構えすぎないことも大切です。

学校によっては、追試験の募集人数が少なく設定されている場合があり、受験者が多いと全員が合格できるとは限りません。

また、一度本試験を受けた後に、体調が悪かったからといって追試験へ切り替えることは認められません。

追試験を希望する場合は、本試験を欠席し、正規の手続きを踏む必要があります。

このように、高校受験の追試験に関する不安・注意点は、本試験と難易度が異なる可能性があることと、定員や合否の扱いが学校によって異なることです。