塾をやめると決めたものの、中学受験をやめた家庭がその後どうなっているのか気になって仕方ない方もいるでしょう。
決断したことに間違いはなかったのか、子どもの将来に悪い影響を残さないか、不安がぬぐえないこともあるでしょう。
周りに同じ経験をした人がいないと、判断材料が見つからず心細く感じることもあるかもしれません。
この記事では、中学受験をやめた家庭のその後の傾向と、後悔しないための向き合い方を整理していきます。
中学受験をやめた家庭のその後は?
中学受験をやめた家庭のその後は、多くが前向きな結果につながっており、実際にやめた保護者を対象にした調査でも、94%が「やめてよかった」と回答しています。
中学受験をやめるという決断は、これまで積み重ねてきた時間や費用を思うと非常に重く、後悔につながるのではないかという不安がつきまといがちです。
しかし実際には、公立中学校に進学した後にのびのびと過ごせるようになった、親子関係が改善した、新しい目標に向かって力を発揮できるようになったといった、前向きな声が数多く聞かれます。
もちろん少数ながら後悔の声もありますが、全体としては「やめる」という決断が、子どもの将来を閉ざすものではないことがうかがえます。
このように、中学受験をやめた家庭のその後は、多くが前向きな結果につながっており、実際にやめた保護者を対象にした調査でも、94%が「やめてよかった」と回答しています。
やめるかどうかを判断する前に、子どもの様子から読み取れるサインと、実際に多くの家庭がやめる決断をしている時期についても知っておきましょう。
やめどきのサインと実際に多い時期
やめどきを判断するサインとしては、頭痛や腹痛といった身体的な不調と、感情の不安定さや意欲の低下といった精神的な不調の両方に注意を払うことが大切です。
身体面では、勉強や塾の前後に頭痛・腹痛・吐き気が続く、食欲が極端に落ちる、寝つきが悪く夜中に目が覚める、朝起きられないといった睡眠の乱れが見られることがあります。
精神面では、ささいなことで怒ったり急に泣き出したりする、口数が減り会話を避ける、これまで好きだったことに関心を示さなくなる、集中力が低下するといった変化が挙げられます。
こうしたサインが見られたら、怠けていると決めつけず、まずは子どもが安心できる環境を整え、続くようであれば専門機関への相談も検討しましょう。
実際にやめる決断をした時期については、ある調査で小学6年生の夏が最も多く全体の35%、次いで小学5年生の夏が25%という結果が出ており、5年生から6年生の夏までにやめる決断をした家庭が全体の約8割を占めています。
この時期は、学習内容が急に難しくなる時期や、受験本番が現実味を帯びてくる時期と重なります。ただし6年生の秋以降にやめる決断をする家庭も一定数あるため、「もう遅い」と諦める必要はありません。
このように、やめどきを判断するサインとしては、頭痛や腹痛といった身体的な不調と、感情の不安定さや意欲の低下といった精神的な不調の両方に注意を払うことが大切です。
では、やめた後、公立中学校で子どもたちにはどのような変化が見られるのでしょうか。
やめた後、公立中学でどう変化したか
やめた後の公立中学校では、のびのびと過ごせるようになったことで学習に前向きになったり、内申点で有利になったりと、良い変化が見られる家庭が多くあります。
塾をやめてテストに追われる生活がなくなったことで、子ども自身の気持ちに余裕が生まれ、かえって自主的に学習に取り組むようになったという声が聞かれます。
中学受験に向けて培った学習習慣や基礎学力を土台に、公立中学校で学年トップクラスの成績を維持し、安定した内申点を武器に地域で有数の高校に進学できたという例もあります。
なかには、中学時代は特に目立った様子がなかったものの、高校生になって周囲が本気で勉強に取り組む姿に刺激を受け、急に意欲に火がつき、当初の中学受験では届かなかったレベルの学校に合格したという例も報告されています。
部活動やスポーツ、家族との時間に充てられるようになったことを、良かった点として挙げる声も少なくありません。
このように、やめた後の公立中学校では、のびのびと過ごせるようになったことで学習に前向きになったり、内申点で有利になったりと、良い変化が見られる家庭が多くあります。
こうした前向きな結果につなげるためには、やめる決断を子どもにどう伝えるかも大切なポイントになります。
「諦める」ではなく「見送る」と伝えることの大切さ
子どもに受験をやめることを伝える際は、「諦める」ではなく「見送る」という言葉を選ぶことが、その後の気持ちの整理に大きく影響します。
「諦める」という言葉には、「あなたには力が足りなかったから」という否定的なニュアンスが含まれやすく、子どもの自己肯定感を傷つけてしまう可能性があります。
一方で「見送る」という言葉には、「今はそのタイミングではないだけで、力がないわけではない」というニュアンスが込められ、子どもが前向きに次の一歩を踏み出しやすくなります。
中学受験をやめても、その先に描いていた将来像そのものが変わるわけではなく、単にルートが変わるだけだということを、進路の見通しを紙に書き出すなどして視覚的に示してあげると、子ども自身も納得感を持ちやすくなります。
このように、子どもに受験をやめることを伝える際は、「諦める」ではなく「見送る」という言葉を選ぶことが、その後の気持ちの整理に大きく影響します。
一方で、少数ではありますが、やめたことを後悔する声があることも知っておく必要があります。
少数だが後悔するケースとその理由
やめたことを後悔する家庭は少数ですが、その多くは、中学進学後に受験した友人の姿を見て「自分も頑張っていれば」と感じてしまうことが理由になっています。
先述の調査でも「少し後悔している」と回答したのは6%にとどまりますが、その理由として、中学に進学した後、受験を経験した友人の話を聞いて羨ましさを感じたという声が挙げられています。
こうした感情は、やめる決断をする時点であらかじめ子どもに伝えておくことで、実際にその場面に直面したときの心の準備につながります。
「今は自分に合った道を選んだ」と子ども自身が納得できるまで、家族でしっかり話し合っておくことが、こうした後悔を和らげる助けになります。
このように、やめたことを後悔する家庭は少数ですが、その多くは、中学進学後に受験した友人の姿を見て「自分も頑張っていれば」と感じてしまうことが理由になっています。
最後に、やめた後に意識しておきたいことについてまとめます。
やめた後に意識しておきたいこと
やめた後は、新しい目標を一緒に見つけることと、受験勉強を通じて身につけた学習習慣を無駄にせず活かしていくことを意識するとよいでしょう。
中学受験というひとつの目標がなくなると、子どもは次に何を目指せばよいのか分からず、気持ちの拠り所を失ってしまうことがあります。
高校受験を見据えた学習を続ける、興味のある習い事やスポーツに打ち込むなど、新しい目標を親子で一緒に設定することで、前向きな気持ちを保ちやすくなります。
中学受験の勉強を通じて身につけた学習習慣や基礎学力は、たとえ受験そのものをやめても決して無駄にはならず、その後の学びを支える土台として活きていきます。
塾の先生や学校の先生への説明は、「家庭の事情で」「体調面を考えて」といった簡潔な伝え方で十分とされています。
中学受験を途中でやめる子どもは一定数いるため、多くの先生はそうした状況に理解を示してくれます。塾や学校の友達にどう伝えるかは、子ども自身に任せ、話す内容も本人の判断に委ねるとよいでしょう。
このように、やめた後は、新しい目標を一緒に見つけることと、受験勉強を通じて身につけた学習習慣を無駄にせず活かしていくことを意識するとよいでしょう。


