中学受験の低学年でやっておくことは?土台作りについて

中学受験

周りの子がすでに塾に通い始めていると聞き、中学受験に向けて低学年でやっておくことは何だろうと焦ってしまいますよね。

先取り学習をさせるべきなのか、それとも今は遊ばせておいていいのか、方針に迷う場面も多いでしょう。

情報を集めれば集めるほど、あれもこれもと不安が膨らんでしまうこともあるかもしれません。

この記事では、中学受験に向けて低学年でやっておくことを、具体的な方法とあわせて整理していきます。

中学受験の低学年でやっておくことは?

中学受験の低学年でやっておくことは、難しい内容の先取りではなく、学習習慣、読解力、生活習慣という3つの土台を無理なく育てておくことです。

低学年のうちから難しい問題に取り組ませることが有利につながると思われがちですが、この時期に本当に大切なのは、その後の学習を受け止められるだけの基礎的な力を育てておくことです。

学習習慣が身についていないまま高学年から本格的な受験勉強を始めると、宿題の量に圧倒されてしまい、勉強そのものが嫌いになってしまうこともあります。

低学年のうちに土台をしっかり作っておくことが、結果的に高学年からの学習をスムーズにする一番の近道になります。

このように、中学受験の低学年でやっておくことは、難しい内容の先取りではなく、学習習慣、読解力、生活習慣という3つの土台を無理なく育てておくことです。

では、まず学習習慣を身につけるために、具体的に何をすればよいのでしょうか。

学習習慣を身につける

学習習慣を身につけるためには、毎日少しずつでも計算や漢字のドリルに取り組み、机に向かうことを生活の一部にしてしまうことが効果的です。

「学校から帰宅したら10分勉強する」「夕食後は必ずドリルを1ページやる」など、あらかじめ取り組む時間を決めておくと、勉強を特別なことではなく、当たり前の習慣として定着させやすくなります。

計算力は中学受験の算数を支える土台となる力で、実際に中学受験の経験者を対象にした調査でも、算数で苦労した原因の第1位に「計算力不足」が挙げられており、その割合は半数を超えています。

漢字についても、中学受験のカリキュラムが本格化してから覚える量は膨大になるため、低学年のうちから漢字を覚えるという作業そのものに慣れておくと、後々の負担が軽くなります。

なかなか机に向かう気になれない場合は、漢字検定のような具体的な目標を設定すると、いつまでに何を覚えればよいかが明確になり、意欲的に取り組みやすくなります。

このように、学習習慣を身につけるためには、毎日少しずつでも計算や漢字のドリルに取り組み、机に向かうことを生活の一部にしてしまうことが効果的です。

学習習慣とあわせて、低学年のうちに育てておきたいのが読解力です。

読解力を育てる読書習慣

読解力を育てるためには、文章を読み飛ばさずに最後まで読みきる習慣を、読書を通じて身につけておくことが重要です。

低学年の子どもは、苦手な文章を最後まで読みきれなかったり、得意な文章でもわかったつもりで読み飛ばしてしまったりすることが多く見られます。

これを防ぐ具体的な方法として、鉛筆で文章にラインを引きながら音読する「鉛筆音読」があり、読み飛ばしを防ぎながら、文章を正確に読み取る力を養うことができます。

読む力がつくと語彙力が自然と増え、書かれている内容を正しく理解できるようになるため、国語だけでなく算数の文章題や理科・社会の長文化した設問にも対応しやすくなります。

絵本から始めて物語を楽しむ経験を積み重ね、保護者自身が読書する姿を見せることも、子どもが本を好きになるきっかけになります。

このように、読解力を育てるためには、文章を読み飛ばさずに最後まで読みきる習慣を、読書を通じて身につけておくことが重要です。

読書と並んで、日常生活の中での体験も、低学年のうちに大切にしておきたい学びの機会です。

日常生活を通じた体験学習

日常生活を通じた体験は、後の受験勉強で学ぶ知識を具体的なイメージと結びつける土台になるため、低学年のうちに意識して積み重ねておきたいものです。

参考書で覚えただけの知識よりも、実体験に基づいた知識のほうが記憶に残りやすく、理解も深まりやすいという特徴があります。

スーパーで野菜の産地を確認したり、買い物のときに計算を一緒にしたりするだけでも、立派な学びの機会になります。

旅行に出かけた際は、訪れた場所がどこにあるのか、どうやって行ったのかを親子で確認しておくと、後に地理の学習が始まったときに、実体験と結びつけて記憶に残りやすくなります。

お手伝いの習慣も、生活の中で数や順序、段取りを考える経験になり、後の学習に良い影響を与えます。

運動系の習い事も、学習を優先して手放してしまいがちですが、週2回程度続けておくと、高学年以降の長時間学習を支える体力の土台になります。

このように、日常生活を通じた体験は、後の受験勉強で学ぶ知識を具体的なイメージと結びつける土台になるため、低学年のうちに意識して積み重ねておきたいものです。

こうした土台作りは、学年によって重点の置き方が少しずつ変わってきます。

学年別に見る取り組み方のロードマップ

学年別に見ると、1年生は体験・運動・読書を中心に、2年生は習慣の定着と九九・漢字の基礎固めに、3年生は学習の質を高める段階へと、少しずつ重心を移していくのが自然な流れです。

1年生のうちは、本格的な勉強よりも学ぶ楽しさを知る準備期間ととらえ、「1分だけドリルをやってみる」といった、できる限りハードルの低い目標から始めます。

ひらがな・カタカナを丁寧に書く練習を大切にしながら、週末は公園で思い切り遊ぶ時間や、親子で本を読む時間を優先しましょう。

2年生になったら、1年生で始めた小さな一歩を、毎日の習慣として定着させる段階に入ります。「毎日15分」のように具体的な目標を設定し、決まった時間に机に向かう習慣をつけていきます。

この学年で特に重要になるのがかけ算九九と新しく習う漢字で、繰り返し練習して確実に定着させておくと、後の算数・国語の土台になります。

3年生になると、4年生からの入塾を意識し始める家庭が増え、学習の「量」より「質」を意識する段階に移ります。

ドリルを解くだけでなく「なぜそうなるの?」と問いかけ、考える習慣を促すとよいでしょう。

学校のテストで安定して90点以上を取れる状態を一つの目安にすると、塾での学習にもスムーズに移行しやすくなります。

このように、学年別に見ると、1年生は体験・運動・読書を中心に、2年生は習慣の定着と九九・漢字の基礎固めに、3年生は学習の質を高める段階へと、少しずつ重心を移していくのが自然な流れです。

実際に中学受験を経験した家庭からは、低学年の過ごし方について、どのような声が聞かれるのでしょうか。

経験者が語る「もっとやっておけばよかったこと」

中学受験を経験した保護者へのアンケートでは、低学年のうちにお手伝いの習慣や規則正しい生活管理をもっとしっかりしておけばよかったという声が多く挙がっています。

中高一貫校を受験した家庭を対象にしたZ会のアンケート調査では、「低学年からのお手伝いの習慣」「規則正しい生活の管理」といった、勉強以外の生活面の土台をもっと整えておけばよかったという意見が複数見られました。

一方で、「低学年までは思いっきり遊ばせ、自由に過ごす時間を大切にすればよかった」という、詰め込みを後悔する声も同じくらい聞かれます。

この2つの声は一見矛盾しているようですが、どちらも「勉強だけに偏らず、生活全体のバランスを大切にすればよかった」という共通の思いを表しているといえます。

このように、中学受験を経験した保護者へのアンケートでは、低学年のうちにお手伝いの習慣や規則正しい生活管理をもっとしっかりしておけばよかったという声が多く挙がっています。

最後に、低学年のうちに無理にやらなくてもよいことについても触れておきます。

低学年のうちに無理にやらなくていいこと

低学年のうちは、高学年で習う内容の先取り学習や、難易度の高い問題演習を無理に行う必要はありません。

柔軟性の高いこの時期に難しい問題ばかりに取り組ませると、「わからない」状態が続いてしまい、勉強そのものへの苦手意識につながってしまうことがあります。

大手進学塾の低学年コースにすでに通っている家庭を見て焦る気持ちが生まれることもありますが、通塾は必須ではなく、家庭での取り組みだけでも十分な土台作りができます。

「この本を読ませたい」「このドリルをやらせたい」と保護者が内容を一方的に決めてしまうのも避けたいところです。

子どもが興味を持てない内容を無理にやらせると、「勉強はやらされるもの」という印象がついてしまい、かえって意欲を損なってしまいます。

しりとりやなぞなぞ、クロスワードなど、遊びの延長で語彙力や思考力を養うところから始めるのも一つの方法です。

低学年のうちは、目の前の課題を無理にこなすことよりも、勉強や新しいことを知る楽しさを実感できる経験を積み重ねることを優先しましょう。

このように、低学年のうちは、高学年で習う内容の先取り学習や、難易度の高い問題演習を無理に行う必要はありません。