三者面談や塾の説明会で「高校受験の併願優遇」という言葉を聞いても、通常の併願や専願とどう違うのかがよく分からないという人も多いでしょう。
条件や手続きを正しく理解しておかないと、12月の締め切りを過ぎてから慌てることになります。
準備が遅れると制度を利用できなくなる場合もあるため、仕組みを早めに把握しておくことが大切です。
高校受験の併願優遇とは、内申点などの基準を満たした受験生に合格をほぼ保証する私立高校の入試制度であり、東京都を中心とした関東圏で広く活用されています。
高校受験の併願優遇とは?
高校受験の併願優遇とは、内申点などの一定の基準を満たした受験生に対して、合格をほぼ保証する形で優遇する私立高校の入試制度です。
公立高校を第一志望にしている受験生が、万が一の不合格に備えて私立高校の合格を事前に確保しておく手段として広く活用されています。
東京都では「併願優遇」、神奈川県では「併願確約」という名称で呼ばれており、両者は仕組みの本質は同じですが呼び方が地域によって異なります。
この制度を使うことで、公立高校の合格発表を待たずして進学先を確保できるため、受験生が精神的な余裕を持って本命の試験に臨みやすくなるというメリットがあります。
一方、第一志望の公立高校が不合格だった場合は、併願優遇を利用した私立高校に必ず入学するという約束が条件になる点に注意が必要です。
このように、高校受験の併願優遇とは、内申点などの一定の基準を満たした受験生に対して、合格をほぼ保証する形で優遇する私立高校の入試制度です。
この制度が通常の併願や専願とどう違うのかを、次で整理します。
高校受験の併願優遇と通常の併願・専願との違い
高校受験の併願優遇と通常の併願・専願の違いは、合格後の入学義務の有無と、合格がほぼ保証されるかどうかという2点です。
通常の併願は、複数の学校を受験して合格後にどこへ入学するかを自由に選べる方式です。
合格してもその学校に入学する義務はなく、他の学校への入学を選ぶことができます。
一方、専願は合格したら必ずその学校に入学することが前提であり、他の学校を受験することもできなくなります。
併願優遇はこの両者の中間的な位置づけであり、公立高校など他の学校との併願は認められますが、第一志望が不合格だった場合は必ずその私立高校に入学するという約束を交わすことが条件になります。
つまり「公立に合格すれば辞退してよいが、不合格なら必ず来る」という取り決めのもとで優遇を受ける仕組みです。
このように、高校受験の併願優遇と通常の併願・専願の違いは、合格後の入学義務の有無と、合格がほぼ保証されるかどうかという2点です。
次に、優遇の方式が学校によって2種類あることも理解しておく必要があります。
高校受験の併願優遇の2つの優遇タイプ(保証型・加点型)
高校受験の併願優遇には、内申点基準を満たすだけで実質的に合格が保証される「保証型」と、当日の試験点数に加点がなされる「加点型」の2つのタイプがあります。
保証型
基準となる内申点を満たしていれば、当日の試験の結果に関わらずほぼ合格が決まるタイプです。
多くの私立高校で採用されている方式で、「当日点はほぼ関係ない」とも言われるほど合格の可能性が高くなります。
ただし「ほぼ保証」であって100%ではなく、面接や当日の態度が著しく問題視された場合などに不合格になるケースもゼロではありません。
加点型
内申点基準を満たしていれば、当日の試験点数に一定の点数(10〜30点程度)が加算されるタイプです。
加点はされるものの、当日の試験結果が合否に影響するため、合格が保証されるわけではありません。
加点型の学校を選んだ場合は、通常の一般入試と同じ心構えで勉強を続ける必要があります。
志望する学校がどちらのタイプかは、募集要項や学校説明会で確認しておくことが重要です。
このように、高校受験の併願優遇には、内申点基準を満たすだけで実質的に合格が保証される「保証型」と、当日の試験点数に加点がなされる「加点型」の2つのタイプがあります。
制度を利用するには、一定の条件を満たす必要があります。
高校受験の併願優遇の利用条件
高校受験の併願優遇の利用条件は、内申点基準のクリアが中心ですが、出席日数・検定資格・学校説明会への参加・入試相談の手続きなど、複数の条件を合わせて確認する必要があります。
内申点の基準
最も重視されるのが内申点です。
基準は学校によって「9科目合計」「5科目合計」「3科目合計」など異なり、学校やコースによっても細かく設定が変わります。
例えば、9科目合計で36以上(オール4相当)、5科目合計で20以上、3科目合計で14以上といった形で具体的な数値が決まっています。
多くの学校では中3の2学期(後期中間)の内申点が基準になるため、中3になってから基準を満たすことを目指しても十分に間に合います。
基準は毎年変動する場合があるため、最新の募集要項や学校説明会で必ず確認しておきましょう。
出席日数
欠席日数についても基準を設けている学校が多く、上位校では「中3で5日以内」「3年間で15日以内」といった厳しい基準を設けているケースもあります。
病気やケガによる欠席が多かった場合は、学校や担任の先生に相談すると考慮してもらえることもあります。
加点項目(英検・部活動など)
内申点が基準に達していない場合でも、英語検定・漢字検定・数学検定などの資格取得や、部活動での実績が加点対象になる学校があります。
基準に少し届かない場合は、加点項目で補えるかどうかを確認しておきましょう。
学校説明会・個別相談への参加
多くの学校で、学校説明会や個別相談会への参加を出願条件の一つとして定めています。
参加しないと制度を利用できない場合があるため、秋頃に開催される説明会には早めに申し込みましょう。
入試相談の手続き(12月15日以降)
東京都の私立高校では、12月15日以降に中学校の先生と私立高校の先生の間で「入試相談」が行われます。
この相談を経ることで、はじめて併願優遇制度の利用が正式に認められます。
12月15日を過ぎると、併願優遇校の変更や取り消しは原則できなくなるため、12月に入ったらすぐに担任の先生に相談しておくことが大切です。
このように、高校受験の併願優遇の利用条件は、内申点基準のクリアが中心ですが、出席日数・検定資格・学校説明会への参加・入試相談の手続きなど、複数の条件を合わせて確認する必要があります。
最後に、制度を利用する際に見落としやすい注意点を確認しておきましょう。
高校受験の併願優遇を利用する際の注意点
高校受験の併願優遇を利用する際の注意点は、入試相談の締め切りを過ぎると変更できないことと、条件によっては他の私立を受けにくくなる場合があることです。
一般入試と同じ日程で筆記試験が行われるため、当日は必ず受験会場に出向く必要があります。
欠席すると不合格になるため、体調管理も含めて当日の準備は万全にしておきましょう。
また、学校によっては「私立第一志望」であることを利用条件の一つとしている場合があります。
この場合、第一志望の公立が不合格になったら必ずその私立に入学することを前提とするため、他の私立高校をオープン入試で受けることが制約される場合があります。
受験プランを決める前に「私立第一志望が条件かどうか」を必ず確認しておく必要があります。
面接がある学校では、試験当日の態度や受け答えも評価対象になるため、礼儀正しく誠実に臨むことが必要です。
制度を利用したからといって、試験を軽視するような態度をとると、まれに不合格になるケースもあることを念頭に置いておきましょう。
このように、高校受験の併願優遇を利用する際の注意点は、入試相談の締め切りを過ぎると変更できないことと、条件によっては他の私立を受けにくくなる場合があることです。


