物価高で塾代も値上がりしていると聞き、中学受験にかかる費用の平均は一体いくらなのだろうと不安になる保護者は少なくありません。
周りの家庭がどのくらいお金をかけているのか分からないまま、漠然とした不安だけが膨らんでしまうこともあるでしょう。
インターネットで調べても、記事によって金額の幅が大きく、何を信じればいいのか迷ってしまう方も多いようです。
この記事では、中学受験にかかる費用の平均について、内訳や学年別の目安を整理していきます。
中学受験の費用の平均はいくら?
保護者へのアンケート調査によると、中学受験にかかる費用の平均は184万1,317円です。
この金額は、塾代の総額平均178万4,000円と、受験料の総額平均5万7,317円を合計したものです。
調査は、通塾期間の平均が2.5年、受験する学校数の平均が2.6校という条件のもとで算出されており、これより長く通塾したり、受験校数が多かったりすれば、平均を上回ることも珍しくありません。
調査の前提条件を確認しておく
この平均額は、現在中学生の子どもを持つ保護者500人を対象に行われたアンケート調査にもとづいています。
あくまで回答者全体の平均であるため、個々の家庭の状況によって実際の金額は大きく上下する点を踏まえておく必要があります。
このように、保護者へのアンケート調査によると、中学受験にかかる費用の平均は184万1,317円です。
この平均額のうち、大きな割合を占める塾代について、もう少し詳しく見ていきましょう。
塾代の平均はどのくらいかかるか
塾代の平均は通塾期間によって大きく変わり、3年間通塾した場合の総額平均は224万2,147円です。
通塾期間別に見ると、2年間の場合の総額平均は156万3,433円、1年間の場合は82万1,101円となっており、通う期間が長くなるほど平均額も比例して大きくなっていきます。
学年別に見る塾代の目安
学年別に見ると、4年生の1年間でかかる費用の目安はおよそ40万〜70万円で、授業料に加えて入会金や季節講習費、教材費などが含まれます。
5年生になると授業料の月額が上がり、季節講習費なども含めた年間の目安はおよそ60万〜100万円、受験本番を迎える6年生では年間100万円を超えることも珍しくありません。
通塾期間別に見る総額の目安
もっとも回答が多かった通塾期間は3年間で、全体の4割近くを占めており、次いで2年間、1年間という順になっています。
通塾期間が短いほど総額の平均は小さくなる一方で、短期間で仕上げる分、1年あたりの費用は高くなる傾向があります。
このように、塾代の平均は通塾期間によって大きく変わり、3年間通塾した場合の総額平均は224万2,147円です。
ただし、同じ「塾代」でも、どのタイプの塾を選ぶかによって平均額はさらに変わってきます。
塾の種類によって平均はどう変わるか
同じ塾代でも、集団塾・個別指導・通信講座のどれを選ぶかによって、平均額は大きく変わります。
アンケート調査でも、集団塾に通わせた家庭が全体の7割以上を占め、集団塾の塾代総額平均は183万4,254円という結果が出ています。
集団塾と個別指導の平均額の違い
アンケート調査では、集団塾に通わせた家庭が72.8%、個別指導塾は20.8%という結果で、集団塾の塾代総額平均は183万4,254円だったのに対し、個別指導塾の塾代総額平均は121万6,346円でした。
一般的には個別指導のほうが授業料単価は高いといわれますが、通う期間や科目を絞って活用する家庭が多いためか、総額平均では個別指導のほうが低くなっている点は意外なポイントです。
学校補習型と中学受験専門型の違い
塾には、学校の授業の補習を目的とした「学校補習型」と、中学受験に特化した「中学受験型」があり、両者では費用の水準が大きく異なります。
学校補習型の年間費用は10万〜30万円程度が目安であるのに対し、中学受験型は年間60万〜150万円以上が目安となり、受験直前の6年生では年間200万円を超えることも珍しくありません。
このように、同じ塾代でも、集団塾・個別指導・通信講座のどれを選ぶかによって、平均額は大きく変わります。
塾代と並んで、受験料の平均も気になるところです。
受験料の平均はどのくらいかかるか
受験料の平均は1校あたり2万〜3万円程度で、平均受験校数をかけると総額の平均は5万7,317円程度になります。
受験料は学校によって差があり、同じ学校を複数回受験する場合でも、そのたびに受験料がかかる点に注意が必要です。
学校タイプ別に見る受験料の違い
私立中学校の受験料は2万〜3万円程度が相場である一方、国立大学附属中学校は5,000円程度、公立中高一貫校は2,000円程度と、学校の種類によって水準が大きく異なります。
私立中学校を複数校受験する場合は、受験料だけでもまとまった金額になるため、事前に受験計画を立てておくことが欠かせません。
受験校数の傾向と受験料平均への影響
中学受験では「7校出願、5校受験、3校合格」を意味する「七五三」という言葉があるように、複数校を併願するのが一般的です。
アンケート調査でも平均受験校数は2.6校となっており、この校数に応じて受験料の総額平均が決まってくる形になります。
内訳を見ると、私立中高一貫校に進学した家庭では3校受験が最も多く全体の25.0%を占めた一方、公立中高一貫校や国立附属中学に進学した家庭では、本命校1校のみを受ける「単願」が4割以上を占めており、進学先のタイプによって受験校数の傾向が大きく異なります。
このように、受験料の平均は1校あたり2万〜3万円程度で、平均受験校数をかけると総額の平均は5万7,317円程度になります。
ここまでは受験までにかかる費用でしたが、入学後にかかる費用の平均も見ておく必要があります。
入学後にかかる費用の平均
入学後にかかる費用は公立と私立で大きな差があり、私立中学校の1年間の学校教育費の平均は約113万円です。
国立中学校は公立中学校と同様に授業料が無料で、多くの場合入学金もかからないため、費用の面では公立に近い水準になります。
文部科学省データで見る公立と私立の差
文部科学省が発表している学校教育費のデータによると、公立中学校の1年間の平均額は約15万円であるのに対し、私立中学校は約113万円と、7倍以上の差があります。
この差は、授業料に加えて、私立中学校ならではの施設費や制服代、教材費などが積み重なることによって生じています。
東京都データで見る私立中学校の授業料平均
東京都の調査によると、令和6年度の都内私立中学校181校における授業料の平均は、年間503,774円でした。
これに入学金や施設費なども加わるため、私立中学校に入学する場合は、授業料以外の費用も含めて年間の総額を把握しておく必要があります。
このように、入学後にかかる費用は公立と私立で大きな差があり、私立中学校の1年間の学校教育費の平均は約113万円です。
これまで見てきた「平均額」は、あくまで目安として捉えておく必要があります。
「平均」はあくまで目安である理由
ここまで紹介してきた平均額は、あくまで目安であり、通塾期間や塾のタイプ、受験校数によって実際の金額は大きく変動します。
「平均184万円」という数字だけを見て予算を決めてしまうと、実際にはそれ以上かかってしまい、資金計画が崩れてしまう可能性もあります。
実際にかかった総額は家庭ごとに幅がある
保護者を対象にした別のアンケート調査では、実際にかかった総費用は「200万〜300万円」と回答した家庭が最も多く全体の4分の1程度を占め、「100万〜200万円」「300万〜400万円」もそれぞれ2割程度という結果が出ています。
200万円以上かかった家庭は全体の約6割にのぼり、400万円を超えたという回答も1割を超えているため、平均値である184万円を上回るケースは決して珍しくありません。
通塾期間が短ければ平均を下回ることもある
通塾期間が1年程度と短い場合、塾代の総額平均は82万円程度にとどまり、全体の平均である184万円を大きく下回るケースもあります。
逆に低学年から長期間通塾する場合は、平均を上回る費用がかかることを見込んでおく必要があります。
塾のタイプ・志望校レベルによる上振れの可能性
個別指導塾を選んだ場合や、難関校を目指して特別講習や志望校別特訓を多く受講する場合は、平均額を大きく上回ることも珍しくありません。
平均額はあくまで一般的な目安として捉え、自分の家庭の通塾スタイルや志望校レベルに応じて、実際にかかる費用を個別に見積もっておくことが大切です。
入学金の想定外の二重払いに注意する
平均額には表れにくい想定外の出費として、併願校の入学金の納付期限が第一志望校の合格発表より前に来てしまい、一時的に2校分の入学金を支払うことになるケースがあります。
一度納めた入学金は他校への進学を決めても返金されないため、平均額の計算に含まれていない、こうした前受け金のリスクも資金計画にあらかじめ織り込んでおく必要があります。
このように、ここまで紹介してきた平均額は、あくまで目安であり、通塾期間や塾のタイプ、受験校数によって実際の金額は大きく変動します。


