算数や理科と違って何をどう教えればいいのかわからず、中学受験の国語の勉強法に頭を悩ませるご家庭もあるでしょう。
読書が好きで本もたくさん読んでいる子なのになぜか点数が伸びず、対策の方向性が見えずに困惑してしまうこともあるでしょう。
「国語はセンスだから仕方ない」とあきらめてしまいそうになる場面もあるかもしれません。
この記事では、中学受験の国語の勉強法について、分野別のポイントとあわせて整理していきます。
中学受験の国語の勉強法は?
中学受験の国語は、生まれ持ったセンスで決まる教科ではなく、漢字・語彙、読解、記述という分野ごとに正しい方法で対策すれば、誰でも着実に伸ばせる教科です。
国語は「勉強してもセンスがなければ伸びない」というイメージを持たれがちですが、実際には知識分野である語彙は暗記で身につけられますし、読解問題にも体系立てられた「読み方」と「解き方」が存在します。
中学受験で問われているのは、文章を正しく読み取り、本文中の根拠をもとに論理的に解答する力であり、感覚や好みで答えを選ぶ力ではありません。
分野ごとの特性を理解したうえで、それぞれに合った勉強法を積み重ねていけば、国語も算数と同じように得点源にすることができます。
このように、中学受験の国語は、生まれ持ったセンスで決まる教科ではなく、漢字・語彙、読解、記述という分野ごとに正しい方法で対策すれば、誰でも着実に伸ばせる教科です。
では、なぜ「国語はセンス」という誤解がこれほど根強く残っているのでしょうか。
なぜ「国語はセンス」と誤解されやすいのか
「国語はセンス」と誤解されやすい最大の理由は、読書量の多さと国語の得点が必ずしも直結しないという事実が、正しく理解されていないためです。
本をたくさん読む子どもが自動的に国語が得意になるわけではなく、むしろ「うちの子は本が好きなのに、なぜか国語の点数が伸びない」という相談は非常に多く寄せられます。
これは、娯楽として自由に読む読書と、中学受験の国語で求められる「根拠を拾い上げながら論理的に読む」読み方が、根本的に異なるためです。
この誤解によって、本来取り組むべき読解の技術や記述の型の習得が後回しにされたり、「自分には才能がない」という思い込みが学習意欲そのものを奪ってしまったりすることもあり、注意が必要です。
背景には、小学校の国語と中学受験の国語で、求められる力そのものが異なるという事情もあります。
小学校の授業では「自分がどう感じたか」を伝える力が重視されるのに対し、中学受験では「筆者が何を伝えたいのか、出題者が何を答えさせたいのか」を正確に読み取る力が問われます。
学校のテストでは毎回満点に近い点数を取れている子どもが、塾のテストでは点数を落としてしまうのは、この2つの力の違いが原因であることが少なくありません。
このように、「国語はセンス」と誤解されやすい最大の理由は、読書量の多さと国語の得点が必ずしも直結しないという事実が、正しく理解されていないためです。
では、実際にどのような勉強法が効果的なのか、まずは漢字・語彙の分野から見ていきましょう。
漢字・語彙の勉強法
漢字・語彙の勉強法は、声に出しながら書いて覚え、時間を空けて繰り返しテストすることが基本です。
口に出すことで頭の中に定着しやすくなり、言葉のイメージも深まりやすくなるため、黙読で眺めるだけの勉強よりも効果的です。
人は一度覚えたことでも、20分後には4割以上、1日後には7割以上を忘れてしまうといわれているため、覚えたその日だけでなく、翌日、1週間後、1ヶ月後と間隔を空けて繰り返し復習することで、記憶の定着率が大きく高まります。
中学受験の国語で求められる語彙には、小学生が日常生活では使わないような大人向けの言葉も多く含まれるため、意味を丸暗記するのではなく、どのような場面で使う言葉なのかを身近な例と結びつけて説明してあげると理解が深まります。
このように、漢字・語彙の勉強法は、声に出しながら書いて覚え、時間を空けて繰り返しテストすることが基本です。
語彙力を土台としたうえで、次は読解問題への取り組み方を見ていきましょう。
読解問題の勉強法
読解問題の勉強法で大切なのは、自分の感想ではなく、本文中の根拠に基づいて論理的に解答する姿勢を身につけることです。
中学受験の国語は、受験生自身の意見や感想を求めているわけではなく、設問で尋ねられていることの根拠を、すべて本文の中から探し出さなければなりません。
答えを出す際には本文から離れて自分の考えを書いてしまわないよう、設問と本文を常に照らし合わせながら解く習慣をつけることが重要です。
長文読解の進め方としては、本文を最初にすべて読んでから設問に取りかかるよりも、本文を読み進めながら該当する設問が出てきたタイミングでその都度確認していく読み方のほうが、安定して得点できている受験生に多く見られます。
登場人物の心情を問う問題では、気持ちだけを直接尋ねられることは少なく、行動や情景描写、セリフといった本文中の手がかりから心情を読み取る力が求められます。
選択問題・抜き出し問題の解き方
選択問題は、まず本文と明らかに異なる内容の選択肢を除外し、残った選択肢について該当する本文の箇所に戻って確認するという2段階の絞り込みで、正答率をぐっと高められます。
抜き出し問題では、正答の候補になりそうな箇所に印をつけたうえで、指定された文字数と一致するものを選ぶという手順を踏むと、闇雲に探すよりも効率よく答えにたどり着けます。
このように、読解問題の勉強法で大切なのは、自分の感想ではなく、本文中の根拠に基づいて論理的に解答する姿勢を身につけることです。
読解の基本を踏まえたうえで、扱う文章の種類ごとに読み方のコツを知っておくと、さらに得点力が安定します。
文章の種類ごとの読み方のコツ
中学受験の国語で扱う文章は、物語文・論説文・随筆文の3種類に大きく分けられ、それぞれ読み方のコツが異なります。
物語文では、場面の様子を頭の中で映像として思い描きながら、天候や情景の変化に連動して登場人物の心情がどう動いているかに注目すると、出来事を追うだけの読み方から一歩進んだ理解ができるようになります。
論説文では、最初の段落と最後の段落を見て「何について、どのような意見を述べているか」をまずつかみ、そのうえで段落ごとの中心となる一文に印をつけていくと、筆者の主張の流れを把握しやすくなります。
随筆文は物語文と論説文が組み合わさった文章で、筆者の実体験である「事実」の部分と、それに対する「筆者の考え」の部分を意識して切り分けながら読むことが、内容理解の助けになります。
このように、中学受験の国語で扱う文章は、物語文・論説文・随筆文の3種類に大きく分けられ、それぞれ読み方のコツが異なります。
こうした読み方を踏まえたうえで、多くの受験生が苦手意識を持ちやすい記述問題についても見ていきます。
記述問題の勉強法
記述問題の勉強法は、感覚で書き始めるのではなく、必要な要素を過不足なく盛り込む「型」を身につけることです。
記述問題は、字数制限の中で本文の内容を要約したり、自分の言葉で説明したりする力が求められるため、練習量と添削の質によって大きく差がつく分野です。
何を書けばよいかわからず、解答欄を白紙のまま提出してしまう子どもも少なくありませんが、多くの場合、いきなり文章全体を組み立てようとしていることが原因です。
まずは解答に必要な要素を本文から拾い出して箇条書きにし、それらをつなげて文章にするという手順を踏むことで、白紙になってしまう状態を防ぎやすくなります。
指定字数によって書くべき要素の目安を変えるのも有効な方法です。たとえば30字程度であれば結果のみを簡潔に、50字程度なら原因と結果を、70字程度になれば背景・原因・結果まで含めるというように字数に応じた型を意識すると、文章を組み立てやすくなります。
保護者や先生に実際に添削してもらい、自分では気づきにくい説明不足や表現のずれを確認してもらうことも、記述力を伸ばすうえで欠かせません。
このように、記述問題の勉強法は、感覚で書き始めるのではなく、必要な要素を過不足なく盛り込む「型」を身につけることです。
こうした基本の勉強法に加えて、近年の出題傾向を踏まえた対策も意識しておきたいところです。
近年の出題傾向を踏まえた対策
近年の中学入試の国語は、単純な知識問題よりも思考力や表現力を問う問題が増えており、教科の枠を越えた出題にも備えておく必要があります。
国語の設問であるにもかかわらず計算問題やグラフの読み取りが出題されたり、マーケティングのような発想力を問う問題が出されたりと、教科横断型の出題は年々増えています。
どのような問題が出されても落ち着いて対応できるよう、志望校の過去問演習を通じて、その学校特有の出題傾向をあらかじめ把握しておくことが大切です。
最難関校を目指す場合は、本文を制限時間内に読み切り設問に答える「タイムトライアル」のような訓練も効果的です。1分間でおよそ500〜600字を読み取れるようになることを目安に、時間を計って読む練習を重ねると、本番でも時間切れを防ぎやすくなります。
このように、近年の中学入試の国語は、単純な知識問題よりも思考力や表現力を問う問題が増えており、教科の枠を越えた出題にも備えておく必要があります。
最後に、日々の学習を効果的に積み上げるための「振り返り」の重要性についても触れておきます。
テストを「振り返る」ことで伸ばすコツ
国語の成績を伸ばすコツは、問題を解いて丸付けをして終わりにするのではなく、なぜ間違えたのかを振り返る習慣を持つことです。
漠然と問題を読み、解答し、正解と見比べて丸をつけるだけの勉強では、解き方のテクニックが実際に使えているのかがわからず、力がついていきません。
間違えた問題については、どの部分の読み取りが甘かったのか、本文のどこに根拠があったのかを一つひとつ確認し、次に似た問題が出たときに同じミスをしないよう振り返ることが大切です。
この振り返りの積み重ねが、感覚に頼らない、論理的な国語力を着実に育てていきます。
このように、国語の成績を伸ばすコツは、問題を解いて丸付けをして終わりにするのではなく、なぜ間違えたのかを振り返る習慣を持つことです。

